悲しい。
母親にYouTubeってなんなのよと言われたので、あれやこれや教えた時、検索欄に一番最初に母が入力したのはいえろーまじっくおーけすとらだったのだ。
親子やなあ、と思ったのを覚えている。
自分を作った映画、音楽、芸術に限らずなんでもいいんだが、そういった先人たちが、ようやくほんの少し理解が追いついた頃にこの世を去っていく。
悲しさよ。どこへ行くでもない悲しさよ。
煙のように漂いまとわりつく悲しみが、晴れたと思うとまた襲ってくる。
もちろん死は避けられるものではないけれど。
悲しいものは、悲しいし、悲しみを心の奥に包みながら日常を生きる他ないのだと、わかっていながら平然と過ごさねばならぬ現世の煩わしさよ。